☆第1章 Boy Meets Girl☆ 第11話
目次へ
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜
イクノディクタスが宝塚記念で2着になった年、たぶん1993年?
タカキと付き合い始めて2年くらいだったと思う。
初めての本格的な浮気。
同じ大学の男の子と、彼氏がいること隠して付き合ってた。
同じ大学の男の子と、彼氏がいること隠して付き合ってた。
真面目で素朴な感じの、ごく普通な大学生って感じの子で、
その頃プロのバンドマン目指してバイトしながらちゃらちゃらしている
(風に見えた)タカキとは正反対なタイプに憧れたんだな。
その頃プロのバンドマン目指してバイトしながらちゃらちゃらしている
(風に見えた)タカキとは正反対なタイプに憧れたんだな。
多分まだタカキのことが好きだったけれど、
絵に描いたように平凡な大学生活をしてみたかったのね。きっと。
絵に描いたように平凡な大学生活をしてみたかったのね。きっと。
土曜日にデートして、そのまま勢いでホテルに泊まった。
やってはみたけどそれ以上好きになることもなく、
かといって冷めちゃったってほどでもなく、
微妙な朝だった。
かといって冷めちゃったってほどでもなく、
微妙な朝だった。
「水道橋で馬券買っていこうよ。」
どっちからともなくそう言って、後楽園へ行った。
どっちからともなくそう言って、後楽園へ行った。
その頃は馬券なんてたまにしか買わないから、新聞見てもよくわからない。
よくわからないけれど、
イクノディクタスとメジロマックイーンの馬連を1000円だけ買った。
どうしてその馬券を選んだのかは全く覚えていない。
よくわからないけれど、
イクノディクタスとメジロマックイーンの馬連を1000円だけ買った。
どうしてその馬券を選んだのかは全く覚えていない。
ただ、手にした馬券を見て、
この馬券が当たったら、この子とはもう別れよう。
タカキと一生一緒にいよう。
タカキと一生一緒にいよう。
と唐突に決めた。
その後、水道橋で彼と別れて私は大学に行った。
大学の図書館で友達と待ち合わせしていたから。
大学の図書館で友達と待ち合わせしていたから。
寝ぼけた頭で大学の門まで行ったらタカキがいた。
で、いきなり殴られた。
で、いきなり殴られた。
家に電話をして、私が帰っていないことバレちゃったらしい。
それで、友達に連絡をとって、
私と図書館で待ち合わせしていること聞き出して・・・ってわけ。
それで、友達に連絡をとって、
私と図書館で待ち合わせしていること聞き出して・・・ってわけ。
もうバレたなら仕方ないってこっちも開き直り。
待ち合わせしてた友達数人も合流して、学生ホールで話し合い。
公開裁判?みたいな雰囲気。
公開裁判?みたいな雰囲気。
浮気してるんだろう?男いるんだろう?やったんだろう?
って、質問責め。こっちはそう簡単に認めるわけにもいかないから
してない。いない。やってない。の水かけ論。
してない。いない。やってない。の水かけ論。
途中何度もまた殴られそうになったり、
仲裁に入った友達が、タカキの頭を冷やそうとしばらく外に連れて行ったり
泥沼状態が延々数時間続いた。
もう私たち当事者も友達も疲れきって、最後は延々沈黙。
仲裁に入った友達が、タカキの頭を冷やそうとしばらく外に連れて行ったり
泥沼状態が延々数時間続いた。
もう私たち当事者も友達も疲れきって、最後は延々沈黙。
そんな中、誰かがつけたテレビからファンファーレ。
G1ファンファーレ。
G1ファンファーレ。
元々日曜日で、閑散とした学生ホール。
それでもまばらに座っていた学生の何人かがテレビの前に移動している。
それでもまばらに座っていた学生の何人かがテレビの前に移動している。
宝塚記念ゲートイン。
さすがに私はテレビに見入るわけにもいかず、
よこ目でレースをちらちら見ていた。
よこ目でレースをちらちら見ていた。
直線、完全に抜け出した一番人気マックイーン、その大外から
転がるようにつっこんでるのは・・・イクノディクタス?
思わず立ち上がった。
転がるようにつっこんでるのは・・・イクノディクタス?
思わず立ち上がった。
なにごと?ってタカキも友達が驚く中、ゴール。
「やったぁ、やったぁ、馬連とったぁ!」
この泥試合の状況も忘れ、私は大喜び。
それまで泣いたり、沈黙していたりした分いきなり歓喜大爆発。
それまで泣いたり、沈黙していたりした分いきなり歓喜大爆発。
「てめぇ、馬券なんて買ってたのかよっ!」
またタカキが怒り出したけれど、すぐに呆れたらしく、
またタカキが怒り出したけれど、すぐに呆れたらしく、
「換金しに行こうぜ。で、それでみんなで飲み行こう。」
みんなの歓声。
みんなの歓声。
馬連配当2370円。払い戻しは23700円。
学生が5人くらいで飲みには十分な額。そのまま深夜まで大騒ぎ。
私の浮気疑惑(じゃないんだけど)はうやむやになり、
例の彼とはその翌日にお別れした。
学生が5人くらいで飲みには十分な額。そのまま深夜まで大騒ぎ。
私の浮気疑惑(じゃないんだけど)はうやむやになり、
例の彼とはその翌日にお別れした。
どうでもよくなった。目が冷めたように。
あのイクノディクタスが大外からつっこんできた時の、
血が沸騰するような興奮に比べたら、
それまで一緒にいた数か月はつまらない時間に思えてしまった。
血が沸騰するような興奮に比べたら、
それまで一緒にいた数か月はつまらない時間に思えてしまった。
この馬連が当たったら、タカキと一生一緒にいよう
まさかその誓いがホントになるとは当時は思いもしなかったけれど。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜
そんな話を延々語ったころには、多分私の目は相当うつろな感じで。
まりこもいつものごとく、良い加減に酔っぱらって。
成田さんは全然シラフな同じだった。
あんまり飲んでなかったみたい。
お酒を飲んで饒舌になったり、人が変わってしまったり、
そんなタイプには全然見えなかったから、全然意外でもないんだけど。
いつものように笑顔で、私のくだらない昔話や、
呂律の回らないまりことのやり取りを聞いていた。
「もう、この人は中学生の頃ホントにおかしくて・・・」
まりこが回らない口で喋り始める。
「変な山から男子、引いてくるのよね~」
変な山って・・・
「誰も付き合わないよって言うような地味系男子追いかけまわして、
付き合うとすぐ捨てちゃうの。」
「変な山から男子、引いてくるのよね~」
変な山って・・・
「誰も付き合わないよって言うような地味系男子追いかけまわして、
付き合うとすぐ捨てちゃうの。」
はぁ?何を語り始めるんだこいつ!って、本気で焦る。
「そんなことないでしょー、私はああいうのが好きだったんだよ。」
「嘘、嘘。子供心に怖かったもん。
男と付き合うんじゃなくて犬飼ってるみたいだったー。」
「嘘、嘘。子供心に怖かったもん。
男と付き合うんじゃなくて犬飼ってるみたいだったー。」
成田さんがびっくりして
「犬・・・?」
って呟いた。
「犬・・・?」
って呟いた。
「それって、誰のことよー。私そんなことしてないってば!」
半分本気で怒ってた。
半分本気で怒ってた。
「えー、室田とか、平川とかー」
「私は両方とも本気で好きだったよ!」
ホントにそう。私は2人とも大好きだった。ちゃんと覚えてる。
「だってさぁ、まるで首に縄つけてさぁ、
あっち行かせてこっち行かせて遊んでるふうだったわよ?」
「私は両方とも本気で好きだったよ!」
ホントにそう。私は2人とも大好きだった。ちゃんと覚えてる。
「だってさぁ、まるで首に縄つけてさぁ、
あっち行かせてこっち行かせて遊んでるふうだったわよ?」
確かにそう見えたのかもしれないけど・・・
でもあれが私なりの愛情であって・・・
でもあれが私なりの愛情であって・・・
そんな説明をするのも面倒くさいくらい酔いもまわってきた。
「違うからね!まりこのカン違いだからね!」
成田さんに強く言うと、困ったように笑って、うんうんと頷く。
「違うからね!まりこのカン違いだからね!」
成田さんに強く言うと、困ったように笑って、うんうんと頷く。
言いたいことを言って、まりこはもう突っ伏しそうなくらいの酔いっぷり。
時計を見れば11時過ぎで、そろそろお開きって雰囲気。
| 固定リンク


コメント